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鉋のレストアその⑨〔旭正宗&市弘〕編

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『旭正宗』鉋の刃を研ぐ

『旭正宗』鉋の刃

みなさんこんにちは、DIYヤーののぶたです。

今回はついに『旭正宗』鉋の刃の研ぎをやっていこうと思います。

この刃については、この一連のシリーズの鉋のレストアその①でお酢に漬け込んだその後をアップし忘れていました。大丈夫、ずーっと漬けっぱなしの漬物にはなっていなから😅確か、翌日くらいに出して、磨いたという記憶。

上の画像がお酢から出して、水洗い、ワイヤーブラシ掛けでサビはきれいに取れたよ、というものです(今更やねん・・・😆)ついでにベルトサンダーで、まくれの修正もしています✨

大切れ

話を今に戻して、研ぎなんだけど。・・・🤨23度と大切れなんだよね。

割とヤフオクで落とした鉋は大切れ気味が多いけど、ここまでいっているのは厳しい。

角度が鋭ければその分切れ味が増すけど、刃先が持たない。よほどの軟材用にしていたか、特殊用途だったのかな?🤔

何にしてもこのままでは使いづらいので、30度近くまで刃を起こします💪

地金の表情

研ぐ前にこの鉋、の横に『日本鉄』と記してありました。これはひょっとして、地金の和鉄のことなのかな?

和鉄は昔の製法で取れる不純物を含んだ柔らかい鉄で、炭素鋼のような焼きが入らないから、地金によく使われていたんだとか。今は製法的に生産していないから、昔の鉋刃でないと中々ないものらしい。

専門的にはその和鉄にも鉋向けとかノミ向けとかあるらしいけど、それはおいらDIYヤーには難しい話なので深い話は無理。興味のある人はググってくだされ🤓

荒下し

えーっと、まずは荒下しをします。ダイヤモンド砥石の#600で垂直近くに立てて手前に引くやつです。これをひたすらやって、刃先をつぶしていく。

刃先の水平だし

荒下しで刃先をつぶしつつ、刃の水平も直します。元はちょっぴり曲がってたね。

鉋のレストアその③でもやりましたが、荒下しならいくら硬い鋼でも結構削れるから、普通に研いで直すよりよっぽど効率的なのさ。

結構先を落としたけど、まだまだだろうな。と、その前に裏切れしてしまった。

裏だし

鉋の裏切れは、刃の裏側先端の平らな部分がなくなってしまうこと、と適当な説明だけど、この状態では表をいくら研いでも切れない刃になっているので、裏をつくらねばならない😑

『市弘』鉋のときは画像が撮れなかったから、今回、裏出し作業を紹介します。

用意するのは金床(レールアンビル)と小さめな金づち。何かと使うので、金床は小さくてもいいから、かならず持っていたい物のひとつだね。

裏出し痕

片手カメラ(しかもデジイチで重い)なんで、作業そのものを撮影できず🤯えーっと、刃先を金床に当てながら地金をコツコツ金づちでひたすら叩く作業です。

刃先など鋼の部分は叩いていけません。割れます。研がれている部分の半分から手前側を叩きます。

そんなに強い力を使わず、コツコツコツとリズミカルに中央から広げるように、同じ場所を叩き過ぎないように。特に裏切れしている部分を出すように心がけて叩きます。刃が金床にしっかり当たっていないと高い音が響いてわかるので、なるべく低い音が出るように金床の位置を修正しよう🔔

玄翁ハンマーでこの作業をする人もいるけど、あまり強く叩くと、いくら地金を叩いていても割れることがあるから気を付けましょう。丁寧にやるならかなり弱い力で細かく叩き続ける方法もあるようだけど、さすがに時間がかかりすぎるので、普通にやるなら小さい金づちがやりやすいかな。

画像の刃は(刃の)耳の近くも叩いているけど、普通は叩かないです。なんか、端の方の裏が平らでないので、ちょっと叩きました😗

裏押し

裏出しで叩いたことによって、裏側が少し盛り上がっているので、それを今度は平らに磨いていきます、その作業を裏押しと言います。裏スキ裏切れ裏出し裏押しとややこしいね「アパッチの雄たけび」のようにウラ~と言っている🤣

さておき😳#600のダイヤモンド砥石で平らに研いでいく。あまり粗すぎる砥石や金剛砂ではキズが深くなるので、これくらいから進めるのがベターだと思うのだ。

裏が出てきたところ

こうして砥石に当てていくと、刃先に平らになった面がでてきます。まだ、角(耳)の方の平面がでていないね。

平面になりました

先ほどの状態のまま、砥石で研ぎ進めると刃全体の裏が広がるベタ裏と呼ばれるものになってしまうから、そうならないようにまた金床に当てて必要な部分の裏出しを繰り返して裏押しをします。

上手な人の扱う鉋の裏側はきれいに細い線でつながっている。刃先ではないサイド側の平面部分はと呼ぶのだけど、この部分まで細い。

一度太くなってしまったら、裏をスキ直すしか方法はないのかな。まあ、一枚鉋でなければ、そんなに切れに影響はないと思うけどね。

裏が出たので、表を荒研ぎしていきます。使用する砥石は#150のダイヤモンド砥石。30度付近を狙って研いでいく。荒下ししたときに刃先の水平を直したから左右で厚みが違っています。だから画像(上中央)にあるように研ぎ始めは斜めに削れている。

それから研ぎ進めて、研ぎ面を広げて行けば、だんだん刃先の形ができてくる。このときの研ぎ方は横研ぎでやっています。最初は研ぎ面がなく、横研ぎの方が安定して面を作りやすいからね😶

ある程度面ができたら角度チェック。29度でいい感じ👍

#400

実際の研ぎでは一回の荒研ぎだとまた裏が切れてしまったから、3回に分けて荒下し、裏出し、裏押し、荒研ぎをやっています🥵・・・途中で心が折れるかと思った。

ここまで面ができれば安定してくるから、ここから刃を付けていきます。#400のダイヤモンド砥石でもう少し精度の良い面にする。とにかく荒砥で作る形状が重要だから、丁寧に丁寧に。

ダイヤモンド砥石は研磨力が強いから、粒度が細かくなってきても気を抜くと地金を多く研磨してしまいがち。特に鋼と地金の硬さの差が大きい刃物ほど、また、鋼が硬ければダイヤが滑ることもあって、その傾向が強い。

刃先を特に意識して研ぐようにしています😀

28.5度

刃先を意識して研いでも、予想以上に地金側へ傾斜していた。相当に地金が柔らかく、鋼が硬い。まあ、28.5度なら許容範囲なんで。これで中砥にかけていくっす😮

裏金の研ぎ

そうそう、裏金も同時進行で研いでいます。

裏側の研ぎ

刃の裏は嵐山硬口と思われる砥石でほぼ鏡面にまで研ぎあげます。この研ぎについては、『市弘』鉋を研いだ時の鉋のレストアその④を参照してね。

天然砥石による中砥掛けです。産地不明の中荒砥から沼田砥と思われる中砥での表情😀しかし、産地や詳細に自信のない砥石ばかりだ😅

おいらは中砥あたりから横研ぎから斜め研ぎに変えていっています。あと、鉋刃の角が立たないように若干左右に丸みを持たせる研ぎもするから、研ぎは一定ではないっす。

裏金はこの沼田砥、2段研ぎにて中仕上げまでにします。

天草備水砥

仕上げの手前に天草備水砥を使っています。これも鉋のレストアその④で紹介しているね😄

研ぎは刃物の硬さや食いつき具合、砥石によって加減が変わります。やり方も人それぞれだし、正解もあってないような・・・。

言えるのは、力を入れ過ぎない、むしろ力を抜く。両手をシンクロさせる(おいらは両肘のシンクロを意識)。手首の角度をキープする(ここがグラつくと丸っ刃になってしまう)。砥石は平面に保つ。かな?🙄まあ、プロではない人間の言葉なんで、参考程度に聞き流してや😆

仕上砥

仕上砥で仕上げます。おいらのやり方は変わっていいるからマネしないでいいです🤯

対馬砥(向かって左)らしきものを鳴瀧(中央)だと書いてあった砥石にこすりつけて名倉にします。それで刃を研いでいくと、砥泥が結構でるから、今度はその泥を黄色い仕上げ砥(京都産合わせ砥?)に塗りつけて、それで研ぐ。

鳴瀧と黄色の砥石は交互に使って、最後は黄色で裏も表も仕上げます。

最終的には正面研ぎをかなり弱く当てて(砥泥で研ぐ感覚)丁寧に仕上げる。

そんな感じ(どんな感じや!)で刃先のカエリが取れれば完了👍

そんなに時間は掛けません。仕上げ鉋クラスのものは使う方が自ら仕上げて使う物だと思うから、ヤフオクでの販売目的では、そこまでやる意味もないだろうしね😉でも、これくらいの仕上でもそれなりに切れるからね!

そんなんで今回はここまでです。次回は台へ刃を仕込む予定。ではでは👋

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