鉋のレストアその⑩〔旭正宗&市弘〕編

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『旭正宗』鉋の仕込み

研いだ刃を台へ仕込む

どうも、みなさんこんにちは。DIYヤーののぶたです。

少しブログのアップが開きましたが、今回は前回の続きで、『旭正宗』鉋をレストアしていきます。

鉋刃の耳

研いだ鉋の刃は裏金(刃口)の幅に合わせて、を落とします。というのは刃先のサイドにある斜めに切り込んである部分ね。

裏金を鉋刃に当ててマジックで印をします。その印のところまで削るのだけど、これを砥石鉄工ヤスリでやるととても大変だから、ベルトサンダー(ベルトグラインダー)で削ります。

このときそのまま削ると摩擦熱でかなり熱くなって、刃にダメージを与えてしまう。それをを防ぐために、刃を水につけて作業をするといいです😀少し削っては、水につけを繰り返す。

もスパッと切り落とす形ではなく、鋭角に面を取る感じ。この方が削る量も少ないし、強度も維持できるからね😉スミの部分まで削ったら、もう一度裏金と重ね合わせて確認。OKならば、ヤスリでバリを取って完成。

お次は背中なじみの修正をしていきます。これは、鉋のレストアその⑦で『市弘』鉋でやっていますね。

『旭正宗』の台には薄い紙が貼ってあるから、緩いのかと思いきや、逆にキツイ・・・😧どうも台割れを圧着した部分が少し盛り上がっているみたい。鉛筆を鉋刃に塗って入れ込むと、割れ痕周辺に鉛筆が濃く写った。

微妙な修正になりそうなんで、紙をそのまま活かして、調整するとしました😮ノミでちょっとずつ削って、刃を抜き差しし、全体的に鉛筆が写るくらいなじめばOK。

この背中なじみ、はまっていればいいものではなくて、鉋で削っているとき刃が受ける力を台へ受け流す重要な部分。接触面が少ないと力が逃げ切らずビビりなどの原因にもなるのだ😬

つづいて鉋刃が通る横の溝、押さえみぞもきついので少し削ります。一分ノミでうっすらとさらう。刃を差して、光が細く抜けてくれるくらいにしてます。ぴったりでいければいいけど、刃の傾きの修正ができなくなるからねぇ🤨

鉋台の刃が入る穴の部分を甲穴と呼ぶのだけど、裏金をはめたら何故かきつくて、はまってしまった😲台割れを直した影響で全体が詰まったようだ。それで鉋刃の横もきつかったのね😑

仕方がないから、押さえ棒を外して、甲穴全体を広げることにしました。ノミホビー鉋の刃を利用して整形しました。しかし、鉋の台打ちをする専門の人は、こんな硬い木を正確にきれいに仕上げるのだから、すごいなと思う。

刃が収まったところ

押さえ棒も戻し、ようやく刃が収まりました。

台の下端は面出し器で平らにします。これも鉛筆で全体に印をつけて削れば、どこが削れていないか一目瞭然ですね😃

思っていたより反っていたため、削り量が多くなってしまった。そうなれば、刃口も広がるというパターン・・・🥶

刃口埋め

刃口埋め

あまり刃口が広いと格好が悪いのと、不具合もあるから、埋めることにします。

使用する木材はちぎりと同じウリンにします。

刃口埋め用にウリン材を加工します。糸鋸盤で切削。

糸鋸盤で切り出した材の小口をさらに整形してきれいにします。一枚目の画像にあるのは手に入れたばかりのローアングルブロックプレーンebayにて安く購入しましたというか、本当に安物だった😂手直ししないと最初からは使えない代物だよ。ウリンは割れやすいから、小口削りは慎重に。

刃口埋木に合わせて溝を掘ります。埋木の厚さを計って、それより少し浅めに穴掘り。ボール盤ボアビット(ホールソー)を装着し、深さを計測しながら彫り込む。

少し、ボアビットが滑って、余計な部分を削ってしまったのと、溝堀りは両サイドから始めるべきだね・・・端に半端な部分が残るから😅という戒めをかみしめながら、次の工程へ進みます。

ここからは、ノミで掘って整形していきます。一からノミで掘るよりボール盤で加工しておくと、だいぶ楽だね。この他のやり方としてはトリマールーターを使って溝堀をやる方法もありますね😀

溝が掘れたので、エポキシ接着剤を使用してくっつけていきます。普通のエポキシ接着剤は透明なんで、木に近い色にします。使用するのはボンドクイック30弁柄の赤、黄、クメゾーという色。

ボンドクイック30はエポキシ接着剤としてはオープンタイム(固まるまでの時間)が長めで、30分猶予があるから、木工には助かる。これに弁柄各色を程よく混ぜ、茶系にして貼り付けました😆

接着後

固定して一日置きました。エポキシ接着剤のオープンタイムは30分だけど、これは動かなくなる時間で、完全硬化にはだいたい一日置いた方がいい👍

刃口埋めの余分にはみ出している部分や、エポキシのはみ出しを削り取ります。

つづいて鉋刃を通します。刃を上から差し込んで、刃口には当て木をしながら刃を叩く。ところが、ウリンが硬いためこれだけでは通らず。台下端側からもノミでつついて交互に少しずつ掘りました。

刃が通ったので、そこを基準に木っ端返しを整形します。刃口幅は1ミリにして75度に彫り込む。彫れたら甲穴側にはみ出ている部分もならします。刃口埋めはこんな感じで完成。ちょっとエポキシのラインが気になるね・・・難しい😥

木っ端返し~台下端の仕立て

柿渋

背中なじみは紙を貼ったまま整形したから、補強のために柿渋を塗布しました🎃。あと、刃口埋めをした部分の若干気になる段差へは着色エポキシを充填しています。

裏金の調整

鉋刃と裏金を当てて、ガタがあったので耳を曲げて調整。このあたりの作業も鉋のレストアその⑦でやってますな😎この裏金は『市弘』のものより素直に曲がってくれました。

下端の調整

最後に下端を調整します。台直し鉋(立ち鉋)や、カードスクレーパーなどを使って、中仕口(ちゅうしこ)に仕立てます。台頭も接地する三点仕立てにしたけど、鉋サイズ的には刃口と台尻の二点接地でも良さそう。

完成

試し削り

ヒノキの木端を試し削り。ふわっとした削り屑が出たのでそこそこ使えそう。台全体に蜜蝋を塗布して、完成です・・・時間かかったーっ😖

ヤフオクで出品予定ですので、興味のある方は見てくださいね😘

これにて一連の{鉋のレストア『旭正宗&市弘』編}は終了です。

つぎは鉋から離れたものをやりたいな。ではでは👋

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