ポケットナイフの研ぎ

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ナイフの研ぎについて

GOOD YEARのナイフ

みなさんこんにちは。DIYヤーののぶたです🙂

前回に大方のレストアを済ませたポケットナイフ。今回はこのナイフの刃を研いでいこうと思います。

いや、しかしブログの間隔があいてしまった・・・所用がが続いてしまい、時間が取れない😭

このポケットナイフの刃渡り(切る部分の長さ)は約55ミリ。道具として使うのなら鉛筆削りとしてくらいしか、使い道が考え付かないね・・・😅

刃に使われている金属は[STAINLESS STEEL]とだけ記してあるだけで、詳しい鋼材はわからない。よく言う炭素鋼よりサビにくい合金鋼だね。刃物用ということで、マルテンサイト系ステンレスという、焼き入れして硬化できる種類ではあると思います😎

ブレードタイプ(刃の形状)はクリップポイントというタイプなのかな?切っ先があまり鋭くないけど🤨

グラインドという刃の研ぎ形状はフラットグラインド(セイバーグラインド)っぽい二段研ぎだけど、左右の片側(どっちが左なのかわからない😆)は二段になっていない非対称研ぎでした。

プライマリーベベルの角度

ナイフは刃の形状から刃の付き方まで幅広いので、おいらのところで全ての説明なんてできません。興味のある方は、詳しく書いているナイフ愛好家のブログは日本にも多数あるので、それを参照ください🤯

で、今回のナイフの刃の研ぎ方ですが、フラットグラインドは先端側の小刃(こば)と呼ばれるセカンダリベベルを研げば、基本的には切れるようになります。画像のものはプライマリベベルという広い面の刃角度を計測したもので、約20度でした。それに対してセカンダリベベルを約30度(片面15度の両面)で研ぎ直そうと考えています。

ナイフは基本的に全鋼なので、全体が硬い鋼になっています。それを広い面積で研ぐのは大変過ぎるので、小刃だけ研げば切れるようになる形状は理にかなっている。それから、全体は20度で鋭角だけど、先端で30度にして強度を持たせる形になったのだろうね、たぶん😗

アルカンサスストーン

ナイフ研ぎということで、砥石もアルカンサスストーンでこだわってみます。画像の物は『WASHITA MOUNTAIN WHETSTONE COMPANY』のアルカンサスストーン、ハードストーンです。日本の砥石と違って、油を使って研ぐ砥石ですね。これも天然砥石になります。ノバキュライトという3億5000万年前に形成された岩石だそうで・・・京都の天然砥石も億年クラスの物なので、天然砥石って地球の悠久の歴史の産物なのね。そう思うと途方もない😑アルカンサスストーンに興味ある方はファーステックアルカンサス砥石総合カタログをご参照ください。

アルカンサスストーンは恐ろしく硬いです。こんなに硬くて、研げるのか?と思うくらい。砥石と言っても日本の水砥石とは、研ぎ感は全く違うっす😶

ホーニングオイル

研ぎに使用する油ですが、LANSKYホーニングオイルを使います。鉱物油ですね。サラダ油ではだめですね😆アルカンサスストーン自体が元々鉱物油にさらされている環境だとか?で、やはり専用の油は相性がいいです。

研ぎ

フラットグラインドの研ぎではあまりプライマリベベルを研がないのだけど、折角なんで、研いでみます😆

ナイフが小さいのと、両刃なんで、両面を均等に研がなければならない。砥石を自分の身体に対して平行において、右、左と返しながら研ぎます。おいらは右利きなので、右手でナイフを握り、左手は右手の手首をサポートします。研ぎ方は人それぞれなんで、こうでなければダメということもないし、おいらも場面場面で、研ぎ方や持ち方を変える😐

刃物の研ぎに共通するのは手首の角度を固定することかな?ここが曲がることをローリングするといって、丸っ刃の原因になります。そのため両肘のシンクロした動きが重要になります😶

プライマリベベル

画像の物は極端にコントラストを強調加工したものです。切っ先辺り、包丁でいうところの、しのぎ刃先の境目の部分に、白くキズが付いているのがわかるでしょうか?プライマリベベルをベタで砥石に当ててみた感じ、完全な平面ではなくて、間が少しくぼんでしまっているのがわかります🤨

こいつをなるべく平面になるように研ごうかなと。

ワシタストーン?

これはちょっと詳細不明な石で、砥石かどうかも怪しかったのだけど、サイズ感はアメリカのインチサイズに適合するし、顕微鏡で確認したところは、他のアルカンサスストーンと似ていることから、まあ、砥石であるだろうと。ただ、目がとても粗いので、所謂「ワシタストーン」と呼ばれる、荒砥のようなものかしら?🤔基本的にこれで直接刃物を研ぐことはあまりなくて、他の石の面出しドレッシング用です。でも、今回はこれで研いでみようかな😁

この石ねぇ、ちょっと扱いが難しい😅荒目なんだけど、硬いから滑るし、結構すぐ目詰まりして、研げ無くなるね。

先ほどのハードストーンや#800の耐水ペーパーでもあてないと面が復活しない。これならダイヤモンド砥石の方がはるかに効率的だね🤨今回に限っては、アルカンサスにこだわるので、このまま頑張って研いでみました🥵

ワシタストーンのあとハードストーンにてプライマリベベルセカンダリベベルも整形しました。両面に小刃が付いたのがわかるでしょうか?

ソフトストーン

次に使うのはなぜかソフトストーン。「SHAPEN ABRASIVE COMPANY MADE IN JAPAN」と書いてある。ややこしいのだけど、この石は昔、理容師さんが使っていたものです。とてもきめ細かくて、自分の感覚でいうと、ハードストーンなんだよね。昔と今でアルカンサスストーンのクオリティが変わってしまったのか、現在は良いものは採掘され切ってしまい、今は高品質の物がほとんど入手不能です😥そういえば、昨年に古い時代のBUCKのアルカンサスストーンをオークションで出品したけど、そこまで値が付かなかった・・・あれ、結構いい石だったのにな😑

なので、当時のソフトストーンは現在のハードストーンのクオリティで、現在のハードストーンは昔のソフトストーンのクオリティなのではないかと・・・勝手な推理だけどね😨

ちなみに先ほどから書いているハードとかソフトというのは硬さというより、ノバキュライトのち密さがあるものほどハードで、隙間や不純物が多くなるほどソフトといった感じ(本当か?間違えていたらごめんなさい)。ノバキュライトそのものの硬さは一緒だから、日本の天然砥石のようにバラエティー豊かではないのさ😗

ワシタストーンによるドレッシング

このソフトストーンもツルツルスベスベだから、一度ワシタストーンドレッシングしないと食いつきが悪いです。このワシタストーンを持っていない頃は、ホワイトアランダムの粉末#2000などを少し振りかけて研いでました😗

刃物感bunn

ソフトストーンで研いだ感じ。プライマリベベルの部分の研ぎ痕が刃物っぽい感じになるね。元のだと、メッキぽいというか、あまり切れない雰囲気があったけど、印象が変わったでしょ?😉

実際のところ、このナイフであればセカンダリベベルに刃を付けて、革砥で仕上げれば十分使えると思う。ただ、それでは面白くないから、さらなる仕上砥で仕上げていきます😎

トランスルーセント

この砥石はトランスルーセントと呼ばれる、アルカンサス砥石仕上げ砥石です。ブランドはDan’sですね。トランスルーセントとは半透明という意味。これ以外に真っ黒なブラックアルカンサスと呼ばれる、仕上げ砥石も世の中にはあります(おいらはポケットストーンしか持っていないけど)。組成は全て同じノバキュライトなのに半透明や黒があるって不思議なものだ。

ソフトストーンのときより光沢が増したのがわかるでしょうか?いよいよ切れるナイフと化してきました。

このトランスルーセントノミなども研げるんですが、ものすごく地金を引きます。日本の刃物のような地金と鋼の二層鋼にはいまいち向いていない感じですね🤔

昔のハードストーン

実は、先ほどのトランスルーセントと別に、この画像のトランスルーセントを所持しています。

これも、理髪店にあったものらしいです。所謂レーザ(剃刀)用の仕上げ砥石です。NORTONHARD STONEと記してありますけど、半透明感は先ほどのトランスルーセントと比較になりません😵

光に透かしたところ
NORTON ABRASIVES HARD ARKANSAS OILSTONE

幅が狭いのが何とも惜しいのですが、このクオリティーのものはそうそう手に入らないと思います。

仕上げ

これらの砥石は素材が一緒なので、すべて硬い研ぎ味。日本の砥石のような上品は仕上がりではなく、ものすごく攻撃的な鋭さを感じる(語彙力なし😆)。

安物のナイフとしては十分な切れだと思います。刃元の方に若干のピンホールサビがあったため、そこだけ切れにわずが引っ掛かりがあるけど、浮かせた新聞紙は切れます😗

今回は革砥も使用せずに、砥石だけでいきました。刃返りも仕上げ砥石だけで落ちましたし😃

こんな感じで、今回のレストアは終わりにしようと思います。

と、最後のこの回はポケットナイフより、手持ちのアルカンサスストーンの紹介みたいになってしまった。実はポケットストーンという小ぶりの物も含めればまだ持っていますが・・・😅

このナイフはヤフオクで出すか、まだ決めてません。出しても、大した値は付けられないね😑

次回は何にしようか、そろそろレストアではないものもやりたいしね。考えておきます😆

ではでは👋

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