鉋のレストアその④〔旭正宗&市弘〕編

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市弘鉋の研ぎの続き

DMT製ダイヤモンド砥石

前回荒研ぎをしてきた『市弘』の刃を、中砥で研ぎ始めます。まずは、DMTダイヤモンド砥石のFINEグレード。これはMADE IN USAですな。

カタログ上の粒度は#600になっているけど、実際に研いでみるとSK11のダイヤモンド#1000より細かく感じる。体感としては#1200くらいかな?

どうも大きさを厳選した天然ダイヤモンドを電着しているらしい。粒子のサイズが均一だからか、#600でもきめ細かく感じるのは。

おいらの使っているのは、もう何年も酷使しているから、少し剥げてしまっているけど、それでも研磨力の高さはすばらしい。平滑性も高く、とても信頼できる一本です。

DMTで研いだところ

鉋としてはこの仕上げだと無理だけど、ちょっとしたナイフなどの刃物だったらこれでも十分に切れる。おいらは持っていないけどDMTにはEXTRA_FINEグレードもラインナップにあるよ。

硬口人口砥石

おいらの研ぎ方はダイヤモンド砥石までは裏も表も同時に研いでいっています。そのやり方は別に正しいとかではなく、色々模索している中での現状といったところ。

ここから、一度、裏側だけほぼ仕上げます。ここで使うのはこの砥石なんだけど、え~っ、正体は正確にはわかりません🤯おそらく、おそらくですけど、大谷砥石の『嵐山硬口ではないかと思っています。

この砥石、ヤフオクで「天然砥石」として出ていたものを落札したんだけど、最初は汚れ具合から、たしかに天然砥石に見えるものでした。それをきれいにして、あちゃー😵人工だったかっと。でも、いざ使ったら、意外といい。

きめ細かい割に研磨力があり、研ぎ始めは中砥#2000くらいの研ぎから、砥泥が出てきて、粒子が細かくなると#5~6000くらいの研ぎに。

それでいてかなりの硬口で、全然研ぎ減らない。そのため、人工名倉を合わせて使用した方が泥も出やすく、目詰まりも防げる様子。おいらはキング人工名倉を使っています。

この石は、もっぱら裏側の研ぎに使っています。硬口のため平滑性がいいのが適しているから。当然表側にも使えるのだけど、そっちはそっちで他の砥石を使いたいので・・・😅

なかなかのかがやき

最初は水をたっぷりつけて研いでいき、次第に砥泥で研ぐようにして、最後はほぼ乾いた面で研ぐと、かなり鋼がつやつやになります。

面直し

使った砥石はDMTで面直しします。こうして酷使するからDMTも剥げるんだな・・・。

謎の天然砥石

裏がだいたい仕上がったら、表側の研ぎにもどります。ここで使う砥石は産地不明の中砥石で、#800くらいかな?DMTより粗いですが、石の性質があって、あえて使っています。

地金の模様が浮き出る

天然砥石は不思議で、鉋の地金の模様が浮き出てきます。これは人口砥石ではなかなか出ません。

それと、この石は目が粗いといっても深いキズは付かないので、次の研ぎが楽になります。

しかし、どこ産の石なんだろう?🤔研磨力はあり、泥はかなり出て、柔らかめな感じ。

裏金の二段研ぎ

この砥石で裏金の二段研ぎもしました。裏金は最初大切れ気味に研いでおいて、刃先だけかなり立てて研いだ刃を付けます。ちょっとこの裏金は左右の角が痛んでいたので、多めに二段刃をつけました。

沼田砥?

つづいて『沼田砥』と思われる砥石で研いでいきます。これもなかなかの研磨力があり、目も先ほどの物よりずっと細かいです#2000くらいかな?

沼田砥で研いだところ

単純に中砥の研磨力だけで比較すれば人口砥石の、例えばシャプトンセラミック砥石は評判もよく、その研磨力と仕上がりはさすがというところです。それでもおいらが天然砥石を使うのは、まあ言ってしまえば、好みなんだけど・・・。フィーリングやナチュラル感、キズの浅さ、地金の仕上がりといったところなんだね🤨

天草砥石備水

天草砥石備水、これは天然砥石でもホムセンで手に入るものですね。まだ採掘が続いているのはありがたい。

ノミのレストアその④でも紹介していますが、個人的には評価している砥石です。

これにキングの人口名倉をすり合わせて、研ぐと、そこそこ反応して良い刃が付きます。

安いし、大き目で硬くて減りづらく、ちゃんと研げるのならば、使わない手はないと。まあ、青砥とか他に良い砥石があれば別だけど😑

天草での研ぎ

これでもかなり切れます。仕上げ用には無理でも、ノミやナイフであれば、十分使えるでしょう。

裏金の仕上げ

裏金は天草で仕上げです。この刃で直接材料を切るわけではないけど、削りカスをスムーズに排出させるために仕上げます。

謎の仕上げ砥石

本刃の仕上に使用する砥石。黄色で、超硬口。おそらくは、京都産。コッパサイズなのが惜しいけど、かなり鋭い刃が付きます。ヤフオクで砥石まとめ売りの中に紛れていました😉

鏡面系の仕上

この砥石は鏡面系の仕上、画像上に見えるもう一つ持っている鳴瀧産のものは曇り系の仕上。

個人的には曇り系の仕上がりが好きなんだけど、この砥石で付く刃の切れがいい。

鳴瀧を名倉のように合わせるとか色々と試して、今のところその両方を交互に使って研ぐと、地金が曇りつつ、刃先が鏡面でよく切れるようだから、しばらくはそれで行こうと思っています。

それにしてもこの鉋の刃はなかなか・・・。地金は和鉄と思われ、ゴマが入っているのと、縞が薄く入っている。縞があまり見えない和鉄の方が鉋用としては上等だったとどこかで見たような?🤔

実際、地金は柔らかく、鋼はかなり硬さを感じる刃だったので、切れ味には期待できます。

これから台を仕上げて、削るのが楽しみなのだ。

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