『市弘』鉋の刃をレストアしていく
みなさんこんにちは。今回は『市弘』の鉋刃の方をレストアしていくところです。
この鉋刃もサビて傷んでいたんだけど、サビ取りしたり、ベルトサンダーでまくれを取ったりして、これは、手回しグラインダーを使って”裏スキ”をしているところ。
この手回しグラインダーは電動と違って回転速度が手で加減できるし、パワーもありすぎないため、刃が熱くなることもなく、焼き戻りの心配がないのがいい。
といっても片手はふさがるし、粉塵が結構でるから集塵しながらでないと、部屋中ビトリファイドが蔓延する・・・😷
それで、このグラインダーはなぜか石の片減りが起きやすい。そのまま使い続けるとカッタンカッタンと当たりが悪くなってしまうから、こまめにダイヤモンドドレッサーで修正が必要なんだ。
どこかで見かけたブログでかな?このダイヤモンドドレッサーそのもので鉋の裏スキをするといいと書いてあったような。おいらが試したところ、ドレッサーがすべるし、思ったように削れなくて断念したよ。やり方があるのかな🤔?
『市弘』鉋の刃と裏金です。これから、砥石で研いでいこうと思います。
見てわかる人には説明不要だと思うけど、あらかじめ裏だしをしています。
刃先近くの地金部分を、金床に当てながら金づちで叩く作業ね。その画が今回はないので、詳しい説明は別の機会で・・・。
刃を研いでいくのに、まずは荒砥という、目の粗い砥石で研磨していきます。
荒砥にも色々ありますが、おいらはこのSK11のダイヤモンド砥石を使います。
比較的安価に購入できるし、無理をしなければ長く使えるのが大きいかな。
おいらがダイヤモンド砥石を使うときには、水道水の代わりに重曹水を使う。重曹はアルカリ性だから金属がサビる(酸化)することを防いでくれるのと、油分を溶かすから、目詰まり対策にもなるのさ。
あともう一つ、京都産らしい天然砥石のコッパなんだけど、これでダイヤモンド砥石の上を名倉のようになでると、ダイヤの切れが復活するように感じている。多分なんだけど、天然砥石がダイヤの目に詰まった細かい異物を取り除いてくれているんじゃないかと?
もしかしたらただの気のせいかもしれないし、ダイヤモンド砥石の寿命を縮めているかもしれないから、人には勧められないな。私、責任取れないから😂
何にしてもダイヤモンド砥石の欠点は目詰まりし、切れが悪くなること。
それでも使うのは、平滑性がよく、研ぎ減ることがないのは非常に大きいメリットだからなのさ。
裏押し。ダイヤモンド砥石を持っていないころは、金板に金剛砂で裏押しをしていたなぁ。まあ、細かい説明をすると終わらないので・・・刃の裏側を平らにする作業です(雑!🤯)。
先ほどグラインダーで行った裏スキは逆に削ってへこましているじゃあないか!😡
はい、その通りです。これは裏押しで刃の裏側全部を平らにするのは大変だから、刃先以外の部分はすいてへこませておこうという知恵です。
それで、裏出しは刃の先端側をたたき出して、裏スキと差をもうけるもの。本来はこの裏出しをしっかりとやっていれば、わざわざグラインダーなんかで裏スキなんてやらなくていいはずなんだけどね・・・🥵
この鉋の刃は元々が20度近い大切れで研いであったので、それをここまで(約30度)直すのに、えらく苦労しました😩
作業としては荒下しという刃を垂直近くまで立てて、刃先を平らにすることからやっていますが、そのときの画像はないのです。今回はこの後でも荒下しはやるので、そこで説明しますね。
それで、これはようやく刃の形がでてきたところ。さすがに以前の角度すべてを直すのは心が折れるので、この辺で二段刃にします。
この角度計はプロトラクターといいます。こいつで刃先の角度を計測~29度辺り。いいですね👍
SK11のダイヤモンド砥石は表裏の両面使い。#150の裏は#600になっています。これで研いでいくよ。
ある程度刃がついたところで刃の水平をチェック。・・・なにやら傾いているね😅
刃を研いでいると変なくせで力が入って、刃先が左右で傾いてしまうときがあります。
それを直すのに、普通に研いで調整するとなかなかうまくいかないから、ここは思い切って刃先を垂直近くに立てて、角度を調整します。この作業を荒下しと言います。
このときに使用する砥石は#600~#1000くらいがいいみたい。あまりに粗いと刃先がガタガタになるからね。あと、必ず刃は引く方向のみで行います。
この作業はこまめに角度を確認しながら削ります。
なんとか刃先は水平になりました(日本の鉋はきれいな四角ではないから、見た目の感覚で決めている😲)。その刃を上から見ると、画像ではちょっとわかりずらいけど、向かって左側が白く太くなっているのがわかると思います。
その分だけ刃先が削れたということなんで、これを基準にまた#150から研ぎ直しです🥶
大変だけど、荒研ぎの段階で刃の形をしっかり決めないと後からは修正が効かないので、頑張るのみなのさ。
今回はとりあえずここまでで、次回に本格的な研ぎに入っていけると思います。
ではでは・・・👋
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