柄の仕上げ
このブログ、毎日はアップできず、実際の作業と時間がずれとります😅ですので、前回の塗装から実は1日半は空いて、オスモも乾燥したところから今日のブログはスタートしています。
オスモオイルはもう触っても手につかない状態で、溝の部分にテカリがあるけど、塗料だまりで、乾燥はしていそう(ちなみに乾性オイルの乾燥は水分などの揮発と違って、酸素との重合、酸化なんだとさ)。
そういえば、前回書き忘れたけど、柄の木材はやっぱりオークのようだね。
オスモのツヤ感が足りないと感じたので、スチールウールで磨き込んでいきます。0000#のスチールウールで磨くとなかなかのツヤと、刷毛むらなんかで微妙に濃くなっている部分もなじみます。
全体を軽く磨いたら、ダスター刷毛で払うのと、集塵機で抜け落ちたスチールウールを掃除。ほんと、この抜け落ちがなければ、スチールウールはいい道具なんだけどな・・・。
元の柄はシェラック塗装のようだったから、これもシェラックを塗るよ。2カットのシェラックを刷毛で塗ってきます。
シェラックはラック貝殻虫の分泌物を精製して得られる天然の樹脂で、なかなかの強度とつやがあって、西洋の家具や楽器なんかによく使われてきたみたい。基本的にアルコールにしか溶けない。
今でもネイルに使用したり、お菓子の光沢剤に使ったりと天然無害な感じで好きなんだ。
真鍮みがき
シェラックが乾くまで、ネジをきれいにしようと思う。ノコギリから外したこのネジは真鍮(黄銅)製みたい。黒ずんで輝きをなくしている。
真鍮の研磨にバフモーターを使います。堅バフにサイザーという研磨剤を少量塗布して磨いていきます。真鍮の研磨なら、トリポリという研磨剤でもOKなんだけど、おいらの普段使いがサイザーなだけ。これはかなり硬い金属でも研磨できるからね。
あらぬところにフォーカスされた写真でごめんなさい😓こうしたスモールパーツの研磨のときはラジオペンチなどで保持すると、パーツがすっ飛ぶことをある程度防いでくれるよ。
サイザーの研磨で見事黒ずみは落ち、真鍮本来の輝きがでてきました!✨
なんか書いてあるな・・・ビーバーの絵?「MADE IN CANADA」。なんか、これ以上サイザーをかけると文字が消えそう😳
とりあえずすべてのネジを磨いてみました。だいぶ光沢が出ましたね👍ネジ山などの溝にはワイヤーブラシをかけています。
このままバフモーターで青棒(より細かい研磨剤)研磨してもいいけど、真鍮なら手で磨いてもきれいになりそうなので、ピカールコンパウンドで磨くことにしました。
ピカールは日本の誇る金属みがきで、とにかく安い(ここ大事)。しかし安いからと大きめの容器をかったもんだから、おいらの使用ペースだと一生分かもしれない😨
刻印のあるネジは歯ブラシにピカールをつけて磨きました。ピカールの独特の臭いにつつまれながら、軽く磨いていくと、ビーバーの姿や文字もはっきりしてきた。「MADE IN CANADA S.D WARRANTED」だって。
ピカールによってよみがえった真鍮の輝き✨素敵です。このあとサビ止めにWD-40を塗布しました。
柄の仕上げ、つづき
真鍮ネジがきれいになったところで、柄の作業に戻ります。シェラックはアルコール溶剤なので、乾燥も早く、わりとすぐに手でさわれる(完全硬化は一日以上)。ここで、なぜかヒートガンを取り出すおいら。
実はシェラックって変わった特性があって、基本的には熱可塑性(熱で溶ける)性質なんだけど、一定温度で今度は熱硬化する。一度熱硬化すると熱可塑性は失われて、熱で溶けなくなるそうな。
そこで、ヒートガンを当てて、あえてシェラックを溶かし、また固めるという作戦。
実に手探りなんだけど、こうすると後の作業の摩擦熱でシェラックがだいぶ溶けにくくなるから、意味はあるのだと感じている。ただしヒートガンの温度が高すぎたり、一か所に当てすぎると気泡が出たり焦げたりするから注意な😨
シェラックが硬化したら、旋盤に取り付けたバフでワックスをかけます。1分ノミのレストアのときにもやったやつですね😃〔1分ノミのレストアその④〕
何もしないと、このときのワックスを溶かす摩擦熱がシェラックも溶かしてしまうので、先ほどの作業が活きてきます。
大きいバフで当たらない部分は、ドレメルにバフをつけてワックスがけします。かゆい所に手が届くドレメル。
ワックスがけが一応終わったところ。シェラックのギラギラしたツヤを、ワックスが優しくしっとりとしたつやに変えてくれます。
組み立て
あらかたきれいになったので、組み立てていきます。
ネジももどして組み立て完成~🎵オールドビレッジのポリッシュを最後に塗っています。
実はネジの長さが一本一本違っているうえに、シェラック分(?)厚みが変わったのか、どう組み合わせてもネジの長さがあまって空回り。しかたないので、ネジを少し短くしたよ😅
出来上がったノコギリはかっこいいね!
完成したノコでとりあえず、パイン材を試し切り・・・うん?😶
なんだか、ガサガサするね・・・😐
硬いケヤキも切ってみた・・・うん?🤨一応スミ線は追えるけど・・・切れ味はいまいち。
というか、切断面がガタガタになってしまう😑
さすがに気になるので、目立てヤスリでもう一度すり込むことにしました。
ところで、西洋ノコギリについてネットで調べていたら、Black burn toolsというサイトを見つけました。英語だけど、ここに色々と詳しく書いてあったね・・・。
で、目立てヤスリなんだけど、このヤスリは単目といってヤスリの目が網目になっていないもの。この方が仕上げがきれいといわれている。これで、目立て角度を前回より直角に近づけてすり込みました😮
すべての刃をすって、あさりもまた直し、最後に刃の側面もならしました🥵
心機一転、目立て直したノコギリで先ほどのリベンジ。
切削音や切れはぐっと良くなった感じ!でも、切断面は・・・😮そんなに変わらん!!
そりゃあ、日本のノコギリより刃も分厚いし、その分あさりも出る。刃のピッチも10TPIという1インチあたりに刃が10本という、日本のノコギリでも木取り用の粗いものと同じくらいだものね・・・。押して切るのにも慣れが必要だし、こんなものなのかな?
とはいえ、ストロークがとてもあるので、それを活かせばなかなか楽ちん。繊細な切断はできないけど、太い材料をザクザクきるには良さそう。見た目も格好いいし、好みかな?
完成
一応すべての工程が終了して、これでヤフオクに出品しようと思います。
古い時代の異国の職人さんが作った道具に触れ、その時代のどういう人が作ったのかなと思いめぐらし、チップカービングなんて、この硬い木によく彫りこんだものだと思ったよ。
日本の大工道具は無駄を一切排除したような究極のシンプルデザイン。それに対して西洋の道具は塗装してあったり、彫刻してあったりと、日本とは違った考えを持って道具と接していたんだなと。これはどちらがいいということじゃなくて、文化の違いなんだろうね。おいらはどちらも好きだよ。
というわけで、西洋ノコギリレストアの回でした。
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