オイルフィニッシュ~仕上げ
前回の亜麻仁油塗布から、1日ごとにくたびれた#400のサンドペーパーでの軽い研磨~オイル塗布を繰り返し、三回目はサンドペーパーではなく0000#のスチールウール掛け~オイル塗布~乾燥をしたところです。
次に精密研磨フィルムの#4000で磨きこみ。この研磨フィルムも最近はホムセンで見かけるようになったね。
下は#1000~上は#15000まであるようだけど、木工にはあまり使わない。おいらは塗装面やコーティングの光沢出し用途でいくつか持っています。
#4000で磨いたところです。ほどほどの光沢がでています。しっとりキラキラした輝きなので、個人的に好みな感じになります。
つづいて金属部分の研磨をします。日本のノミは西洋のようなピカピカ磨きは似合わないので、今の地を活かし、スチールウールで磨きこみます。
0000#のスチールウールにWD-40(潤滑オイル)をしみこませ、金属部分をゴシゴシとやっていきます・・・。
スチールウールは細かい部分にも入るので、先に取り切れていなかったサビや汚れを結構落としてくれます。そのうえ光沢が出るので、鉄の地がいい感じに輝きます。
ただ、スチールウールは使っているそばからぽろぽろと崩れて細かい屑になってしまう。木工において細かい鉄くずや砂粒は大敵(刃物を痛めます)ですんで、使用後はきれいに掃除して、ウールもジャム瓶などに収納が吉👍
ワックスがけ
つづいて、木柄にワックスをかけます。オイルフィニッシュは木にしみ込んでいるからコーティングにならない。だから上に一つ層を作って保護すると汚れに強くなります。
画像は旋盤にドリルチャックとバフを取り付けたところ。ワックスもバフに付けています。
使用しているワックスはカルナバ蝋+蜜蝋のブレンド。それをテレピン油で溶いて柔らかくした状態でバフに塗り、ある程度テレピンが揮発したところで、ワックスがけ開始。
バフを回転させ、そこに柄を押し当てます。摩擦で溶けたワックスが適度に柄をコート。
ノミ二本ともワックスをかけたところ。オイルフィニッシュ時よりさらにしっとりしたツヤになりました✨
仕上げ研ぎ
大体の工程が終わり、最後に刃を仕上げます。
柄を外した状態で一度研いであるから、ほぼ仕上げ研ぎだけでOK。
刃がある程度仕上がっているとはいえ、柄を挿げ替えるときのダメージがあるので、中砥からやる。
画像のは天草砥の備水として売っていたもの。おいらは天然砥石が好きで、なるべく天然砥石を使って研いでいる。理由は、人造砥石よりキズが浅い傾向にあることと、人造の薬剤っぽさが苦手だから(人造砥石を使わないわけでもなく、長所も感じる。好みなだけ)。
話を戻して、この天草砥は大工道具の研磨としてはあまり人気はないみたい。天然砥なら青砥が評価が高く、中砥なら研磨力の強い人造砥に分があるしね。
それでもおいらが天草砥をチョイスするのは、まず入手しやすく安価であること。ホムセンでも手に入る天然砥石は天草以外あまりない。あとは、うまくすればなかなかの研磨力と仕上げをしてくれくから。
天草の特に備水砥はわりとキメが細かく、包丁の仕上げ砥として使われるくらいのもの。硬さがあるため平面保持がいいのだけど、そのままでは研磨力が弱く、なかなか砥泥が出ない。そこで、名倉を入れるとぐっと研磨力がアップし、使いやすくなる。
画像の端に写っているのが、キングの合成名倉。天然名倉は希少で高価だから、ここは人造でもやむなしなのだ(安いしね)。
仕上がりは#3000~#4000くらいかな?中仕上げ程度になります。
ノミはそこまで仕上げる必要はないと思うけど、売り物の予定なので・・・仕上げ砥で研ぎます。
向かって右手のは、少ない手持ちの仕上げ砥石の一つ、小ぶりな正本山合砥。鳴瀧産と書いてあるけど、ほんまかいな?!
そしてもう一つの黒い砥石は、おそらく対馬砥。これは針気というのか、地金を引きやすくキズになるからそのまま研ぎに使えない。そこで名倉兼面直し的に使っている。
仕上げ砥の産地には疑問もあるものの、ちゃんと刃はつきます。この写真ではわかりづらいけど、地金は曇り、鋼はしっとりとした光沢がでる。もちろんよく切れます。
完成
こんな感じで仕上がりです。一応ヤフオクで出品予定。
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